2017/01/14 | 「予算だて、見積査定は難しい~昨年の反省~」 |
昨年は、仕事量が、予測できず、多方面にご迷惑をかけてしまい反省が多い年でした。
予想以上に時間がかかってしまった仕事で、教訓を得たエピソードをご紹介します。
私が改修設計させていただいたマンション工事の見積合わせを行って、やっと、施工者、工事金額が決定した案件のことです。
マンション改修といっても通常の修繕と違って、元設計仕様の変更を伴うもので外壁の一部仕様を変更する、屋上庭園を撤去する、外構工事があるなど、リフォーム会社が、普段、やりなれていない内容だったのですが、見積依頼した全社から設計者予定金額の倍以上の見積もりがきてしまい、クライアントからも「どうなっているのか・・・」という感じで大変な問題になってしまいました。
その後、見積査定よる指摘や金額交渉、VE案の採用、改修設計図面の読み取り説明、再見積などをやり続けた結果、なんと、最終は予定金額以下となりました。 クライアントは、最初の金額はなんだったのか・・・とあきれていました。
リフォーム会社が下請け会社の選定ミスをしていたり、(普段つきあいのない会社だったりするので。)ネゴシエートを全くやっていなかったりなど、金額が落ちる要素があるのにやっていない印象を持ちました。
通常の大規模修繕工事では、さすがに、ここまでの減額差は出ないと思いますが こんなこともあるのかと、私も長くこの仕事をやっていますが、びっくりした次第です。
設計者の立場で考えると、予算金額を高めに設定しておけば安全側にいられますが、今回は、たまたま最終金額が予定通りになったのでよかったですが、もし、落ちなかったらと思うと、ぞっとしてしまいます。
ですが、逆に、私が安全側に高めの金額を設定していたら、金額は妥当だったと判断させてしまい、クライアントには大損をさせたことになっていたでしょう。 なんとも、複雑な心境です。
設計事務所は、工事金額を決める立場ではありませんが、予算だて、見積査定は、設計事務所の仕事であり、慎重さと経験が求められます。
今後も、悩みながらやっていくことでしょう。。。。難しい仕事です。